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熱中症のメカニズムを知って対策しよう
今年も暑い夏がやってきました。今年の夏は久しぶりに海や山へレジャーにでかけたり、スポーツを楽しむなど、屋外で活動しようと考えている人は多いのではないでしょうか。冷房の効いた屋内とはちがい、気温の高い屋外での活動で注意したいのが熱中症です。熱中症は重症化すると最悪の場合、命を失うリスクのある病気ですが、知識さえあれば重症化を防げる可能性が高まります。熱中症についての正しい知識を持ち、夏を楽しみましょう。
熱中症が発生するメカニズムを知っておこう
熱中症は身体に熱がこもり体温が上昇することで発症します。私たちの身体は体温を一定に保てるように機能が働きます。体温が上がれば、体温を下げるために身体が反応するわけです。たとえば、スポーツなどで運動をすれば、筋肉活動によって大量の熱が発生し体温が上昇します。発生した熱を外に放出できなければ体の中に熱がこもり続け体温がどんどん上がってしまいます。
そこで、私たちの身体は皮膚血管を拡張したり、汗をかいて熱を発散しようとします。皮膚血管は車のラジエターのように外気と熱交換をしてくれます。皮膚血管が拡張し循環する血流量が増えれば、それだけ熱交換しやすくなります。外気温が低ければの熱放出によって順調に体温が下がることが期待できますが、逆に外気温が高いと外気から身体の中に熱を取り込むことも考えられます。
また、かいた汗が皮膚の上で蒸発すれば、気化熱を奪い体温を下げてくれます。ところが、湿度が高い日には汗が蒸発しにくくなります。また、身体の水分が減り脱水症状が起きれば、汗をかきにくくなります。血液濃度が高くなり血液が循環しにくくなれば、熱交換もしにくくなります。私たちの身体に体温を調節する機能を持っているものの、その能力を発揮しにくい環境下では熱中症になる危険性が高くなります。
熱中症のサインを知っておこう
熱中症になると私たちにはどのような症状が現れるのでしょうか。炎天下でじっと立っていたり、立ち上がったりしたときにめまいや失神といった症状がでることがあります。これらは脳への血流が減少することで発生する症状ですので、足を高くして横になることですぐに回復することが多いでしょう。
運動やスポーツ中によく見られるのが熱けいれんという症状です。大量に汗をかくことで血液中の塩分濃度が低下してしまうと足や腕、腹筋などがけいれんを起こします。大量に汗をかいたからと言って、水分ばかりを摂取すると、血液中の塩分濃度が低下してしまい水中毒になることもあります。塩分も同時に補給できるスポーツドリンクや経口補水液などを摂取することで通常は回復するでしょう。
脱力感、倦怠感、めまい、頭痛、吐き気といった熱疲労の症状が出てくることもあります。脱水症状などによって血液の循環がうまく行っていないことが原因なので、スポーツドリンクや経口補水液を飲むことで回復することが期待されますが、嘔吐などの症状により水が飲めないケースもあります。その場合は医療機関で点滴をしてもらうなどの処置が必要になります。
これらの症状が出ても、状況を軽く見て無理に運動を続けていると、さらに症状が進んでしまうかもしれません。応答が鈍くなったり、言動がおかしくなるなどの症状がみられるようになったら要注意。体温が40℃以上へと過度に上昇したことで、脳に異常が発生し意識障害が発生している可能性があります。脳だけでなく、肝臓、腎臓、肺、心臓などの他の臓器にも障害が発生することもあります。これらは熱射病の症状ですが、死に至る可能性のある危険な状態です。約30分以内に体温を40℃以下に下げることが求められます。速やかに身体を冷却することが必要です。
炎天下で運動中にこれらの熱中症のサインが現れたら、すぐに日陰などの涼しい場所で休憩を取り、スポーツドリンクや経口補水液などで水分と塩分を補給しましょう。多くの場合で症状が改善するでしょうが、その後は無理をしないことが大切です。嘔吐で水が飲めない、意識障害が見られる、と言った場合には躊躇せずに救急隊を要請しましょう。
(参考)公益財団法人日本スポーツ協会「スポーツ活動中の熱中症予防ガイドブック」
まずは暑さに慣れることが大切
熱中症は急に暑くなり始めたころに多く発生します。私たちの身体が暑さに慣れていないからです。暑さに慣れる、というのは、上手に汗をかいて体温を下げられるようになることです。そのためには、冷房の効いた部屋の中ばかりにいたり、暑い日にいきなり強い運動をしてはいけません。運動をするならできるだけ気温が下がる時間帯を選び、低い強度で、時間も短くし、少しずつ運動をしましょう。汗を上手にかけるようになり、暑さに慣れるにしたがって、徐々に運動量を増やしていくようにしましょう。運動中はこまめに休憩を取り、水分補給も忘れないようにしましょう。
熱中症を予防するなら、服装も大切です。暑い日に運動するなら、半そで、短パンといった涼しい服装で、さらに頭への熱の流入を防ぐために帽子も着用しましょう。また、子供たちは大人に比べて汗をかく機能が未発達なので、大人よりも暑さに弱く熱中症になりやすいので、大人が十分に気を付けてあげましょう。
熱中症をカバーする保険にも注目
今年の夏も30℃超える暑い日が続きそうです。暑い日にはとにかく無理をしないことが熱中症予防には重要です。それでも運動やスポーツをする必要がある時があるかもしれません。そんな時には熱中症保険に加入することをおすすめします。
熱中症になり病院で点滴などの治療を受けたり、入院などをした際に保険金が支払われる保険です。インターネットから1日100円、1カ月200円程度の保険料から手軽に加入できます。野球やサッカーなどのチームスポーツや、団体での野外活動などがあるなら、参加者全員に加入してもらうと安心できるでしょう。