猛暑とエアコン不足が重なる夏へ 熱中症対策と保険の活用

このコラムは一般的な情報をご提供するものであり、当サイトの保険のご加入をお勧めするものではありません。

猛暑とエアコン不足が重なる夏へ 熱中症対策と保険の活用

気象庁によると、今年の夏も全国的に平年より気温が高くなる見込みです。2023年、2024年、2025年と毎年のように記録的猛暑が続いているので、今年もか…と嫌になりそうですね。暑い夏を乗り切るためには、熱中症に注意が必要です。しかし、2026年の夏は例年以上に注意が必要かもしれません。


エアコンの「2027年問題」

その理由の一つが、エアコンを取り巻く環境の変化です。まずはニュースでもよく取り上げられているエアコンの「2027年問題」に注意が必要です。2027年4月から家庭用エアコンの省エネ基準が強化され、基準を満たさないエアコンは製造・販売できなくなります。すでに使用されているエアコンはこれまで通り使用することができますが、故障すれば買い替えが必要です。古いエアコンを今のうちに買い替える動きも出ており、買い替え需要が前倒しで発生しています。

さらに今年は、中東情勢の影響によるナフサ不足が発生しています。エアコン本体だけでなく、設置に必要な配管カバーや断熱材などのエアコン工事に必要な部材供給にも影響が出ており、機種によっては納期の長期化や設置工事の遅れが懸念されています。

先月のことですが我が家のエアコンが故障したため、私も家電量販店にエアコンを買いに行きました。エアコン売り場にはいつもよりも多くのお客さんがおり、販売員の説明を受けていました。エアコンが例年以上に売れており、メーカーや機種によっては2カ月先でも納品できないかもしれない、と言っていました。暑くなる前に納品できることを条件にすると、希望のメーカーのエアコンは買うことができませんでした。

これまでであればエアコンは「壊れたら買えばいい」、「暑くなったら取り付ければいい」という考えで通用していました。でも、今年の夏は早め早めに動く必要があります。もっと言うと早めに動いたとしても、暑い夏には間に合わない可能性があるのです。

室内でも熱中症には注意が必要

熱中症という言葉を見ると「炎天下でスポーツをしている若者」「畑仕事をしている高齢者」のように、炎天下に屋外で活動する際に発生するイメージがあるかもしれません。ところが、消防庁の統計を見ると、救急搬送される人の約4割は住居の中で熱中症を発症しています。

さらに年齢区分別でみると高齢者が57.1%と過半数を占めています。高齢者は暑さを感じにくくなるため、熱中症が懸念される気温になっても、エアコンをつけずに過ごしてしまいます。そのため、自覚症状がないまま体温が上昇してしまい熱中症になりやすいのです。


熱中症による救急搬送状況
資料:消防庁「令和7年(5月~9月)の熱中症による救急搬送状況」


最近はオンライン会議システムが普及したことで、在宅勤務をする人も増えています。在宅時間が長くなり、日中の暑い時間でも「節約のためエアコンをつけず我慢する」、「電気代が気になるので設定温度を高くする」としていないでしょうか。高齢者でなくても暑さを我慢しすぎると熱中症のリスクは高まります。電気代よりも、まずは命を大切にしましょう。

エアコンなしでも暑い夏を乗り切るために

もちろん、熱中症対策の基本はエアコンですが、今年はエアコンなしで夏を乗り切らないとならない人も多くなりそうです。例年以上に熱中症対策をとる必要があります。


① 水分だけでなく塩分も補給する
汗をたくさんかくと水分だけでなく塩分も失われます。のどが渇いたからと言って、水だけを大量に飲むと体内の塩分濃度が低下してしまい、かえって体調を崩すことがあります。水分補給と同時に塩分濃度を維持するために、スポーツドリンクや経口補水液を摂取しましょう。
高齢者は体温の上昇だけでなく、喉の渇きも感じにくいため、のどが渇いたから飲むのでは間に合わない可能性があります。そのため、時間を決めてこまめに水分補給するように心がけましょう。高齢者の周囲の人は、水分補給が十分か注意してあげたいところです。


② 扇風機を活用する
エアコンがないならば、扇風機やサーキュレーターで風を送るだけでも違います。体に風が当たるだけでも体感温度は大きく下がるからです。また、扇風機やサーキュレーターを使って、窓から屋外の空気を取り込むことも有効です。夏場は室内に熱気がこもりがちです。特に朝晩の比較的涼しい時間帯に室内の熱気を外へ逃がし、外から新鮮な空気を取り込むことは大切です。


③ 室内への熱の流入を少なくする
夏場に室内へ流入する熱の7割以上が窓からと言われています。つまり、窓からの熱の流入をいかに防ぐかが熱中症対策のカギです。
まずは、遮光カーテンをつける、すだれで日陰を作る、窓に断熱フィルムを貼るといった対策を検討してみましょう。こうした比較的簡単にできる対策だけでも、室温の上昇を抑える効果が期待できます。特に南向きや西向きの日当たりのよい窓が多い住宅では効果が大きくなるでしょう。
エアコンが使えるなら、内窓を入れて2重サッシにするとエアコンの効きがよくなります。断熱効果がアップすることで、室内と屋外の温度差が大きくても、室内への熱の流入を小さくし冷房効率が上がります。


④ 冷却グッズを活用する
近年は、夏を乗り切る冷却グッズが数多く開発され販売されています。「冷却ネックリング」「冷感タオル」「保冷剤ベスト」と言ったものが人気になっています。就寝時には保冷剤を利用した冷却まくらを使うとよいでしょう。首、脇、足の付け根など、動脈や太い血管を冷やすことで体温の上昇を抑えましょう。


⑤ 我慢は絶対にダメ
暑くてつらいなら無理に家で過ごすのではなく、冷房の効いた施設や店舗で過ごすことも検討しましょう。「まだ大丈夫」、「少し休めば治る」と我慢してはダメです。めまい、頭痛、吐き気、強いだるさを感じたら、すぐに涼しい場所へ移動し、水分と塩分を補給してください。それでも熱中症の症状が改善しない場合は迷わず医療機関を受診しましょう。

例年以上に注目が集まりそうな熱中症保険

今年は平年より暑い夏が予想されているにも関わらず、悪いことにエアコン問題が重なってしまいました。ここ数年の夏はとても暑かったため加入者が増えてきたのが熱中症保険ですが、今年はさらに注目が集まりそうです。

熱中症保険とは、
・熱中症による治療
・熱中症による入院

などを補償する商品が一般的です。インターネットを通じて販売されている商品には、月数百円程度の保険料で手軽に加入できる商品があります。中には1日単位から加入できる商品もあり、イベントに参加したり、スポーツをする際に、日程に合わせて無駄なく加入することも可能です。熱中症になるリスクの高い高齢者や屋外で活動する人は、特に注目したい保険です。

なお、熱中症による入院も、基本的に医療保険の対象となります。しかし、熱中症は入院せずに通院だけで治療する場合が多く、一般的な医療保険に付加されている通院保障ではカバーできない可能性が高くなります。なぜなら、一般的な通院保障は退院後に継続して治療するための通院が対象だからです。熱中症保険はこうした入院を伴わない熱中症の治療も給付対象としていることが特徴です。少額の保険料で熱中症に特化した補償を受けられることから注目されています。

とは言え、熱中症保険は熱中症を防いではくれません。保険は経済的損失をカバーしてくれるものです。まずは熱中症にならないための対策を取り、その上で保険に加入するかどうか検討しましょう。

今年の夏は「猛暑」と「エアコン不足」が同時にやってきそうです。熱中症は誰にでも起こり得る身近なリスクです。まずはご自宅やご家族のエアコンの状態を確認し、熱中症対策と万一への備えを進めておきましょう。

情報提供: 家計の見直し相談センター(外部サイト)

ライタープロフィール

藤川太

ファイナンシャルプランナー。山口県出身。慶応義塾大学大学院理工学研究科を修了後、自動車会社で燃料電池自動車の研究開発に従事していたが、ファイナンシャルプランナーに転身し、「家計の見直し相談センター」で生命保険の見直しを中心とした個人向け相談サービスを展開している。同センターは2001年の設立以来30000世帯を超える相談を受けてきた。「分かりやすい、納得できる、利用しやすい」サービスを目指して活動中。 著書に『年収が上がらなくてもお金が増える生き方』(プレジデント社)、『やっぱりサラリーマンは2度破産する』(朝日新書)などがある。

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