
このコラムは一般的な情報をご提供するものであり、当サイトの保険のご加入をお勧めするものではありません。
夏休み到来!国内旅行でも保険加入を忘れずに
いよいよ夏休み。一年で一番の旅行シーズンがやってきました。今年も暑い夏になりそうなので、海へ、山へ、と出かける予定を組んでいる方も多いのではないでしょうか。円安もあって今年は海外からの旅行者もたくさんいます。どの観光地に行っても人でいっぱいだと考えておきましょう。そんな時に考えておきたいのが旅行先でのトラブルです。特に自然が多い場所に行く場合には、最悪の事故も想定して準備しておきましょう。
国内旅行は旅行者数も支出額も増加中

観光庁「旅行・観光消費動向調査」より
円安で「安い日本」と言われるようになりました。都市圏を中心に海外からの観光客がつめかけ、まるで日本ではないかのような雰囲気さえ出ている街もあります。そこに加えて国内の観光客も増加傾向にあります。街中では外国からの観光客が目立ちますが、国内の観光客も着実に増えているのです。
観光庁の「旅行・観光消費動向調査」によると、2024年1-3月期の国内旅行観光客数は延べ1億1140万人となりました。前年の1-3月期は1億162万人でしたから前年比9.6%の増加です。延べ数ではありますが3カ月間に各国民が1度は国内旅行をした計算になります。また、この国内旅行者のうち宿泊した旅行客は6102万人となり、こちらも前年同期比で2.5%増加しました。コロナ禍前の2019年の水準を超えることはできていませんが、コロナ禍以降年々増加を続け、あと少しというところまで回復しており"コロナは明けた"と言ってもよさそうです。
国内旅行は旅行者数だけでなく、旅行費用も右肩上がりに増えています。2024年1-3月期に国内旅行で支出した1人1回あたりの旅行費用の平均は4万2706円でした。前年の1-3月期は4万1875円でしたから前年比2.0%とわずかに増加しています。ただ、宿泊旅行に限ってみると1人1回あたりの旅行費用の平均は6万1736円と前年同期比で6.1%も増加しました。1人6万円となると4人家族で24万円ですから、かなりの出費です。旅行費用はすでにコロナ禍前の2019年水準を20%以上も上回っています。今後も旅行回数、費用共に増加傾向が続くと見られ、家計に占める家族の旅行支出は上昇していきそうです。
旅行・観光消費動向調査を見ても、私たちが1年で一番国内旅行をするのが真夏の7-9月期です。夏休みや盆休みの旅行計画をすでに立てている人は多いはず。皆さんはどこに出かけるでしょうか。実家に帰省したり、街中で買い物などを楽しむ人も多いでしょうが、今年も暑い夏になる予報が出ています。暑い夏を乗り切るために、海や山といった自然豊かな地に出かける人も多いでしょう。
夏は水難事故が多くなる季節

警察庁生活安全局生活安全企画課「令和5年夏期における水難の概況」より
すでに各地の海水浴場が海開きをし、多くの海水浴客でにぎわっています。また、川遊びをしている人たちもたくさんみかける季節になりました。泳いだり、水遊びすれば涼しいですし、楽しいですが、自然の中での遊びです。プールなどの管理された施設での遊びと比べると水難事故のリスクがはるかに高くなるので注意が必要です。
海水浴場などある程度管理されている場所で遊ぶなら、ある程度安心し遊ぶことができます。ところが、海水浴場ではない海や川など管理されていない場所で遊ぶのは危険がいっぱい。2023年(令和5年)の夏季(7月・8月の2カ月間)に水難事故に遭った人は568人と前年比で70人も大きく減りました。ただ、減少傾向が続いているわけではなく、毎年600人前後の水難者が続いている状況です。
水難事故は死亡事故につながりやすい恐ろしい事故です。2023年夏季の死亡・行方不明者は236人と、水難事故に遭った人の約41%にものぼりました。これも毎年同じような傾向が続いており、水難者の4割前後が死亡・行方不明となっています。遊泳中の事故で死亡するのは子どもたちというイメージがありますが、死亡・行方不明者のうち中学生以下はわずか16名(令和5(2023)年)。ほとんどが高校生以上であり、むしろ大人が重大事故に遭っていることに注意したいところです。
夏でも山岳事故はとても多い

警察庁生活安全局生活安全企画課「令和5年夏期における山岳遭難の概況」より
標高が100m上がるごとに気温が0.6℃下がると言われ、標高の高い山や高原では夏でも涼しく過ごすことができます。冬の登山は危険がいっぱいなのはイメージしやすいですが、夏の登山やキャンプでも多くの遭難者が発生しています。2023年の夏季の山岳遭難者は809名で、最近の登山ブームを反映しているのか増加傾向が続いています。夏山でも油断は禁物であることが分かります。山岳事故での2023年夏季の死亡・行方不明者数は61名と遭難者の7.5%に止まりました。例年遭難者の10%弱が死亡・行方不明者となっています。水難事故に比べると大幅に低い割合ですが重大事故につながりやすく、油断は禁物です。
自然が豊かな環境で過ごすなら保険に加入して出かけよう
自然が豊かな場所に海水浴、川遊び、キャンプ、ハイキングなどに行くなら、出かける前に国内旅行傷害保険に加入しましょう。保険会社によっては、国内旅行保険、レジャー保険、アウトドア保険といった名前で呼んでいる場合もあります。
国内旅行傷害保険は傷害保険がベースなので、ケガによる「死亡・後遺障害」と「入院」に対する保障が基本セットです。これにケガによる「通院」に対する保障が付いているケースもあります。海外旅行とは違い、国内旅行では国内の病院で治療することになります。公的な健康保険が使えますし、他に加入している死亡保険や医療保険なども使えます。基本セット部分の保障額はあまり重要視しなくてもいいかもしれません。
国内旅行と名前がついている理由は、この基本セットに「携行品損害」や「賠償責任」、「救援者費用」に対する補償などがセットされるところにあります。むしろ、これらの補償が重要です。
旅行中にバッグ、衣類、カメラ、現金といった携行品に偶然な事故で損害が生じてしまった場合に補償してくれるのが「携行品損害」です。旅行中では日常とは違うのでトラブルは発生しやすいものです。保険に加入しているなら、破損したり、盗まれたといったトラブルがあったら忘れずに保険金を請求しましょう。
キャンプなどで遊んでいる時にうっかり他人にケガをさせてしまう、物を壊してしまう、といったことは起こりがちです。こうした偶然に発生した事故で他人に対して損害賠償責任を負った場合にカバーしてくるのが「賠償責任」です。複数人ケガをさせるなどすると賠償額が高額になることも想定され1億円以上の保険金額は欲しいところです。自動車保険や自転車保険などで別途加入している場合もありますが、補償が重なることになるので省略することを検討してよいでしょう。
また、旅行先でケガをして長期に入院することになった時には、家族が病院に駆けつけることもあるはずです。その際の交通費や宿泊費をカバーしてくれるのが「救援者費用」です。遠方で長期入院してしまうと宿泊費もかさみますし、家族が何度か往復することになると交通費も高額になってしまいます。こうした補償があることで、お金を気にせずサポートできるのは助かりますね。
ただし、夏のレジャーといっても本格的な登山を楽しむ人もいるでしょう。本格的な登山の際には一般的な国内旅行保険ではなく「山岳保険」に加入しましょう。山岳保険の補償内容は国内旅行傷害保険の補償内容に加え「遭難捜索費用」がプラスされるのが一般的です。山で遭難した際に、捜索隊が結成され大規模な捜索が行われているのをテレビなどで見たことがあると思います。こうした捜索には多額の費用がかかりますし、ヘリコプターが出動すればさらに高額な費用がかかります。遭難者を捜索・救助・移送するための費用をカバーしてくれます。
最近はこうした国内旅行保険や山岳保険はインターネットから簡単に加入できる時代です。旅行に出かける前に保険に加入しておけば、レジャーを安心して楽しむことができるでしょう。