キャンプのハードルを下げる!「手ぶら」と「保険」の上手な使い方

このコラムは一般的な情報をご提供するものであり、当サイトの保険のご加入をお勧めするものではありません。

キャンプのハードルを下げる!「手ぶら」と「保険」の上手な使い方

コロナ禍に巻き起こった第2次キャンプブーム。今では日常が戻り、すっかりキャンプに行かなくなった方も多いようです。自然の中でのキャンプは、日常から解放してくれるレジャーです。また、キャンプは不便さを楽しむことができるので、一緒に作業することで家族や友人との絆が深めることもできます。日常が戻った現在だからこそ、もう一度キャンプに行ってみませんか?


手軽にキャンプを楽しめるサービスが登場

キャンプを楽しむにはテントや寝袋、バーベキューセットなど多くのキャンプ用品を揃える必要があります。家族用のテントは安くても数万円。高いものになると10万円以上もします。それ以外のキャンプ用品を取りそろえると数十万円の出費となるでしょう。年に何度も楽しむ方であれば、これだけの出費をしても一回当たりにすれば安く済みます。でも、滅多に楽しまない方であれば高級ホテルに泊まれるレベルの出費です。
お金がかかるだけではありません。普段はこうしたキャンプ用品を保管する場所も必要です。大きな家に住んでいる方であれば負担ではないでしょうが、普通は保管場所を確保するだけでも大変でしょう。ですから、キャンプに行かなくなれば捨てたり、売ってしまう人が多くなります。
こうしたハードルを低くして、気軽に楽しんでもらおうと、手ぶらでもキャンプができるキャンプ場が増えています。キャンプ場に行きさえすれば、キャンプ用品を一式レンタルできるサービスです。慣れていない初心者はテントの設営も難しいものですが、中には設営・片付け不要の常設型のキャンプ場もあります。テントやバーベキューの道具だけでなく、食材まで用意してくれるキャンプ場もありますが、どちらかと言うと食材や飲料は持ち込みとなっているところが基本です。
料金体系はキャンプ場によって異なりますが、ホテルと同じように一泊あたりや、一人あたりの料金設定、その他、道具ごとのレンタル料+一人当たり利用料といった形で設定しているキャンプ場もあります。自分で道具を持ち込んでキャンプするよりは当然ながら高くつきますが、ホテルに泊まるよりは安くなる水準に設定されているところがほとんどです。頻繁にキャンプを楽しむ方にとっては割高になりますが、初心者やキャンプをする回数が少ない人ならば、手ぶらキャンプ場を利用する方がメリットは大きいでしょう。

車はレンタカーでOK

キャンプのもう一つのハードルがアクセスの方法です。一般的にキャンプ場は自然豊かな郊外にあります。そのため、電車やバスなどの公共交通機関だけで行くことができないキャンプ場も多くあります。予約する前にアクセス方法は確認しておきましょう。すべてレンタルができる手ぶらキャンプ場であれば、荷物も少なくて済みます。公共交通機関でアクセスできる手ぶらキャンプ場であれば、気軽にキャンプができますので探してみるとよいでしょう。
一方で、車があればほとんどのキャンプ場に行くことができます。また、荷物が多くても車で運ぶこともでき楽です。手ぶらキャンプ場でも食材や飲料を持ち込むなら荷物は多くなりますので、公共交通機関でアクセスするのが難しくなるかもしれません。
日ごろから車を使っている方であれば問題はありませんが、都市圏に住む人には車を持っていない人も多いはず。その場合、レンタカーやカーシェアを利用することも検討しましょう。レジャーシーズンは車を確保することが難しくなります。キャンプの日程が決まれば、早めにキャンプ場の予約とともに車の予約もしておきましょう。
キャンプでは身体、荷物や道具が汚れがちです。車に荷物を積んだり、乗り込む際には泥などで車の中が汚くならないようにシートを敷くなど気を付けたいところです。また、レジャーシーズンは渋滞しがちですので、返却時間に間に合うように余裕をもったスケジュールで行動するよう心がけましょう。

自然の中でのレジャーは危険がいっぱい

キャンプは自然の中で楽しむレジャーですので、危険がいっぱいです。日常の生活では考えられないようなことが起こるのがキャンプだと思っておきましょう。
まず、キャンプでは火を扱います。普段からIH調理器具を使っている家庭であれば、火の扱いになれていないかもしれません。焚火やバーベキューコンロに触って火傷をしないように注意しましょう。また、強風時に火が燃え広がり火災が発生することもありますので、火の取り扱いには十分に注意しましょう。
自然の中でキャンプをしているとクマやイノシシ、サルといった野生動物に遭遇して襲われることもあります。ハチなどの昆虫に刺されたり、毒を持った植物に触れてしまい炎症を起こすことも考えられます。
自然の中では落雷による事故にも要注意です。死亡事故にもつながるので、天気予報をチェックして危険があれば速やかに避難しましょう。倒木でテントがつぶれる事故や、川が増水し中州に取り残されるといった事故も過去に発生しています。テントの設営場所にも注意が必要です。
また、遊んでいるうちに迷ってしまい遭難する事故も発生しています。自然の中は天候も変わりやすいですし、街中のように街灯や家から漏れる光がないので日没後は真っ暗になります。キャンプ場はある程度は安全に留意されていますが、キャンプ場から出てしまえば遭難するリスクは高まるので十分に注意しましょう。

出かける前に保険への加入もしておこう

このように楽しいだけではないのがキャンプです。事故が起こらないように十分注意するだけでなく、事故が起こった時のために保険への加入も検討しましょう。
キャンプの際に加入しておきたいのは「国内旅行傷害保険」です。最近はアウトドア保険、レジャー保険といった名称で販売されているケースもあります。この保険の本体はケガによる「死亡・後遺障害」「入院」「通院」に対する保障です。これらの補償に「賠償責任」「救援者費用」「携行品損害」といった補償が特約としてセットされるのが一般的です。


<図表>国内旅行傷害保険の仕組み



キャンプではケガは発生しやすいものです。大けがをして入院するといった事態になれば「ケガ入院」によって経済的負担を助けてくれるでしょう。また、「ケガ通院」がついていればケガの治療のための通院だけでも給付金が出るので請求しましょう。そして、意外に重要なのが特約としてセットされる「賠償責任」や「救援者費用」です。
「賠償責任」は偶発的に他人にけがをさせた、他人の財物を壊してしまった、というような法的な損害賠償責任を負ったときに保険金が支払われる補償です。他人に大けがをさせてしまうと、賠償額も大きくなりやすいので加入しておきたい補償です。自動車保険などに特約として付加している場合など補償が重なる場合もありますので確認しておきましょう。
「救援者費用」は遭難した場合の捜索費用や、死亡したり14日以上入院した場合に家族が現地に駆け付ける費用を補償してくれます。広域の捜索となれば多くの方が捜索に関わりますし、ヘリコプターが出動すれば捜索費用が高額になります。滅多に起こることではないでしょうが加入しておくと安心です。 こうした国内旅行傷害保険(アウドア保険など)は、旅行期間に合わせて保険期間を設定できることが一般的です。当然ながら保険期間が短いほど保険料は安くなります。インターネットで手軽に加入できるようになり1日から加入できる保険も登場しています。保険期間1日であれば保険料も数百円の世界です。手ぶらキャンプの準備は少なくて済みますが、万一に備えて保険加入は済ませてから出かけましょう。

情報提供: 家計の見直し相談センター(外部サイト)

ライタープロフィール

藤川太

ファイナンシャルプランナー。山口県出身。慶応義塾大学大学院理工学研究科を修了後、自動車会社で燃料電池自動車の研究開発に従事していたが、ファイナンシャルプランナーに転身し、「家計の見直し相談センター」で生命保険の見直しを中心とした個人向け相談サービスを展開している。同センターは2001年の設立以来30000世帯を超える相談を受けてきた。「分かりやすい、納得できる、利用しやすい」サービスを目指して活動中。 著書に『年収が上がらなくてもお金が増える生き方』(プレジデント社)、『やっぱりサラリーマンは2度破産する』(朝日新書)などがある。

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