航空機遅延・キャンセル料も守れる「海外旅行保険」の選び方

このコラムは一般的な情報をご提供するものであり、当サイトの保険のご加入をお勧めするものではありません。

航空機遅延・キャンセル料も守れる「海外旅行保険」の選び方

海外旅行に行きたいけど、円安で予算が膨らんで...、とお悩みの方は多いはずです。しかも、最近は原油高も重なり、さらに旅行費用がかさむようになりました。いったい何が起きているのでしょうか。旅行費用を節約するために、何か工夫ができないものでしょうか。


円安傾向は続く可能性が高い

近年、海外旅行の費用が大きく上昇している要因の一つが「円安」です。円安とは、同じ金額の日本円で以前より少ないドルしか買えなくなる状態を指します。残念ながらこの円安状態は長く続く可能性が高いとみられています。

かつては日米の金利差が縮まると円高になる傾向がありましたが、現在は逆に円安になる傾向がみられています。為替の動向は金利差だけではなく多くの要因のバランスによって決まるからです。かつては輸出大国であった日本ですが、現在では現地生産化が進んでいます。また、原油や天然ガスといったエネルギーや、デジタル化を支えるITインフラの多くを海外に頼っています。円安=貿易黒字という構図が成り立たなくなり、貿易赤字傾向が続いています。こうした事態も重なって円高になりにくい状況が続いています。

海外旅行に安く行くために以前のような1ドル=100円といった円高になるのを待ちたいところですが、こうした状況が続く限りは難しそうです。

燃油サーチャージが追い打ちをかける

さらに、中東情勢の緊張などによる原油価格上昇も重なっています。航空機は大量の燃料を使用します。そのため、燃料価格の上昇は「燃油サーチャージ」として航空券代に上乗せされます。つまり、円安と燃料高の"ダブルパンチ"によって、海外旅行の負担は以前より大きくなっています。

燃油サーチャージは、航空会社が航空燃料価格の変動分を運賃とは別に徴収する追加料金です。昔は航空運賃に燃料費も含まれていましたが、原油価格が大きく変動するようになり「燃料価格上昇リスクを航空会社だけで吸収できない」という理由から導入が広がりました。「燃油サーチャージ無料」をうたう航空会社があったとしても、航空運賃や空港使用料や手荷物運賃などの中に含めて吸収していると考えるといいでしょう。

実は円安が進んだり、原油価格が高騰したからといって、航空運賃や燃油サーチャージが高くなるとは限りません。航空会社は経営を安定化させるために将来の為替や原油価格の水準を、先物などを活用してヘッジするのが一般的だからです。安い価格でヘッジができている会社は、他社より価格を安く設定しても大きな利益を確保できます。一方で、高い価格でヘッジしてしまった会社は利益を確保するために、他社より高い価格を提示する必要に迫られます。

また、燃油サーチャージは航空運賃とは別なので、マイルの積算対象にならない、割引対象にならないということもあります。ですから、プランを立てる時には、航空運賃だけでなくトータル費用を比較することが大切です。

旅行費用を抑えるための工夫はリスクを高める

こうした中、旅行者の間では、直行便ではなく経由便を選んだり、ホテルではなくAirbnbなどの民泊を利用したりすることで、少しでも費用を抑えようとする動きが広がっています。

燃料費は長距離直行便や古い機体ほど高くなる傾向があります。そのため、直行便ではなく経由便を使った方が結果的に安くなることが多いのです。もちろん直行便の方が経由便より往復の時間は短くなりますが、価格差が大きくなるほど時間をかけてでも安く抑えたいというニーズが勝ちやすくなります。

Airbnbは通常のホテルとは違い、個人間取引の側面が強い宿泊サービスです。その分、ホテルより低価格で広い部屋を利用できることが多くあります。一方で、トラブルに巻き込まれることも少なくありません。特に海外での利用は、言葉や法律、文化の違いがあるため、問題が大きくなる傾向があります。コストを低く抑えられる一方で、自己責任で利用する必要のあるサービスです。

海外旅行の費用を抑えるためのこうした工夫は一般的になりつつありますが、乗り継ぎ遅延やロストバゲージ、宿泊トラブルなど、新たなリスクも増え、トラブルに巻き込まれる確率も高まっています。海外で発生したトラブルは国内より解決が難しいのでやっかいです。

時代に合わせた保険に加入しよう

国内で病気やケガをした場合、公的健康保険を使えば医療費の自己負担が大きな額になることは稀です。ところが、海外で大きな病気やケガになれば、数百万円、数千万円といった高額な医療費を請求されることがあります。そのため、海外旅行に出かける前に海外旅行保険に加入するのはもはや常識です。

こうしたリスクに対応するため、多くの海外旅行保険には治療・救援費用補償がついています。国によって医療費の相場が違いますが、できれば1000万円以上の補償をつけておきたいところです。当然ながら、大きな保障をつけるほど保険料は高くなります。

さらに、多くの海外旅行保険には、旅行中に持ち物が盗難や破損、事故による損傷を受けた場合に補償される携行品損害が付加されていますが、最近では時代背景に合わせた新しい補償も登場しています。

たとえば、航空機寄託手荷物補償やフライト遅延補償です。これはいわゆるロストバゲージやフライトが遅延・欠航になった場合に、一定額を補償する保険です。また、旅行者や家族の病気やケガによって旅行をやむなくキャンセルしなくてはならなくなった場合に備える「キャンセル保険」も登場しています。私の知人も海外旅行の直前に病気で入院することになりやむなくキャンセルし、十万円を超えるキャンセル料を負担しましたが「キャンセル保険」に入っていれば、と後悔していたことを思い出します。

海外旅行の費用を安く抑えるために工夫はしたいところですが、同時にトラブルに巻き込まれるリスクが高まります。保険を上手に活用して、安いと安心を同時に実現して海外旅行を楽しみましょう。

情報提供: 家計の見直し相談センター(外部サイト)

ライタープロフィール

藤川太

ファイナンシャルプランナー。山口県出身。慶応義塾大学大学院理工学研究科を修了後、自動車会社で燃料電池自動車の研究開発に従事していたが、ファイナンシャルプランナーに転身し、「家計の見直し相談センター」で生命保険の見直しを中心とした個人向け相談サービスを展開している。同センターは2001年の設立以来30000世帯を超える相談を受けてきた。「分かりやすい、納得できる、利用しやすい」サービスを目指して活動中。 著書に『年収が上がらなくてもお金が増える生き方』(プレジデント社)、『やっぱりサラリーマンは2度破産する』(朝日新書)などがある。

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