夏休みのお出かけ前にチェック!持ち物を守る「携行品損害補償」

このコラムは一般的な情報をご提供するものであり、当サイトの保険のご加入をお勧めするものではありません。

夏休みのお出かけ前にチェック!持ち物を守る「携行品損害補償」

今年も夏がやってきました。旅行やキャンプ、海水浴、花火大会、帰省など、外出の機会が増える季節です。家族や友人と予定を立て、交通機関や宿泊先を予約し、必要な道具をそろえる。そうした準備も、夏の楽しみの一つです。

一方で、こうしたレジャーにかかる費用が以前より高額になっています。交通費や宿泊代だけでなく、食事代、レジャー施設の利用料など、さまざまな費用が上がっています。家族旅行ともなれば、かなりの出費になることもあるでしょう。それだけではありません。私たちが旅行やレジャーに持っていく「持ち物」も、以前より高額になっています。


持ち物の高額化が旅行やレジャーのリスクを高める

ブランドバッグ、スーツケース、スマートフォン、タブレット、ノートパソコン、カメラ、ワイヤレスイヤホン、アウトドア用品、スポーツ用品など、レジャーや旅行に持っていく機会は少なくありません。これらの商品の購入金額は以前よりも高額化しています。

旅行やレジャーは楽しい時間です。どうしても気持ちが開放的になります。海辺で写真を撮っていたらカメラを落として壊れてしまった。キャンプ場でバッグが盗難に遭った。移動中にスーツケースのキャスターが壊れた。アウトドア用品が破損した。こうした持ち物のトラブルは、決して珍しいものではありません。もしも、高額な持ち物が破損や盗難に遭ったら、楽しかった旅行やレジャーが一気につらいものに暗転しかねないリスクです。

持ち物の損害を補償する「携行品損害補償」

こうしたリスクに対応するために一番大切なことは、盗難や破損を防ぐことです。貴重品から目を離さない。防水ケースや衝撃に強いケースを使う。バッグの管理に注意する。車内の見える場所に荷物を置きっぱなしにしない。こうした基本的な対策は欠かさないようにしましょう。

残念ながら、それでも事故やトラブルを完全に防ぐことはできません。そこで確認しておきたいのが「携行品損害補償」です。携行品損害補償とは、旅行中や外出中に持ち歩いている身の回り品が、偶然な事故によって壊れたり、盗まれたりした場合に、一定の範囲で損害を補償するものです。

旅行保険やレジャー保険に加入すると付帯されている商品がありますし、火災保険の特約、傷害保険、クレジットカード付帯保険などに含まれていることもあります。高額な持ち物を持って出かける機会が多い人にとっては、家計へのダメージを和らげる手段の一つとして確認しておきたい補償です。

携行品損害補償で出そうで出ない事例

携行品損害補償に加入しているからと言って、持ち物のトラブルなら何でも補償されるわけではありません。補償の対象となるのは、偶然な事故による破損や盗難が基本です。旅行先でカメラを落としてレンズが割れた、観光中にバッグを盗まれた、航空会社に預けたスーツケースが戻ってきたときに車輪が壊れていた、キャンプ中にリュックが破れた、といったケースなどが考えられます。

一方で、「出そうで出ない」ケースもあります。最も注意したいのが、紛失や置き忘れです。ホテルにカメラを置き忘れた、電車の網棚にバッグを忘れた、といったケースです。本人から見れば「持ち物がなくなった」という意味では盗難と同じように感じるかもしれません。しかし、保険上は盗難と紛失・置き忘れは区別されることが一般的で、紛失や置き忘れは補償対象外となることが多いと考えておきましょう。

また、盗難で補償を受けるには、盗難の事実を説明できることが重要です。バッグのファスナーが開けられて中身を抜き取られた、施設内で管理していた荷物が盗まれた、警察や施設管理者に届け出た、といった事情があれば説明しやすくなります。一方、「いつの間にかなくなっていた」というだけでは、盗難なのか、置き忘れなのか、紛失なのかが説明しにくくなりますので注意しましょう。

高額品は一定の範囲内での補償になる

高額品についても注意が必要です。たとえば、50万円のカメラや100万円の腕時計のように高額な持ち物が壊れたり盗まれたりしても、購入金額がそのまま補償されるとは限りません。携行品損害補償では、1個、1組、1対あたりの補償限度額が10万円までといった形で設けられていることがあるからです。また、保険金は購入時の価格ではなく、修理費用や時価額を基準に支払われる保険もあります。さらに免責金額が差し引かれて補償される場合もあります。高額な持ち物を持って出かける場合は、補償が付いているかだけでなく、いくらまで補償されるのかも確認しておきたいところです。

さらに、対象外とされる品物もあります。典型的なのは現金、クレジットカード、定期券といった現金や有価証券などです。これらは対象外とされたり、補償される場合も限度額が設けられていることがあります。また、動植物や業務用の設備は対象外となることが一般的です。また、スマートフォンやノートパソコン、タブレット端末のような電子機器の一部についても、保険商品によって扱いが異なります。補償対象となる場合もあれば、補償対象外になったり、オプション扱いになっていることもあります。スマートフォンやパソコンは高額で、外出先に持ち出す機会も多いだけに契約内容を確認しておきたいところです。

また、単なるキズや汚れ、経年劣化、自然消耗も補償されないケースが多くなります。これらは偶然な事故による損害ではなく、外観上の損傷や劣化と判断されることが多いからです。携行品損害補償は、古くなったものを新しくするための保険ではありません。あくまで、偶然な事故による損害に備える保険なのです。

事故が起きたら証拠を確保しよう

携行品損害補償で保険金請求をするには、事故が起きたこと、損害が発生したこと、損害額がいくらかを確認し、説明できるようにしておく必要があります。事故が起きたら、まず証拠を確保することが大切です。

持ち物が破損した場合は、損害品の写真を撮りましょう。品物全体、破損箇所のアップ、ブランド名や型番、事故現場の状況などを複数枚撮影しておくと安心です。壊れたものはすぐに捨てず、保険会社や代理店に連絡してから修理や処分を行うのが安全です。修理に出す場合は修理見積書、修理した場合は領収書、修理不能の場合は修理不能証明書を取得しましょう。

盗難に遭った場合は、すぐに警察に届け出ましょう。国内であれば警察に被害届を出し、受理番号を控えます。海外であれば、現地警察で盗難証明書やポリスレポートを取得します。ホテル、キャンプ場、空港、鉄道、レジャー施設などで発生した場合は、施設管理者や交通機関にも届け出て、事件・事故の記録を残しておきましょう。

保険金請求時に事故にあった持ち物の購入時期や購入金額を保険会社に伝える必要があります。領収書、クレジットカードの利用明細、ネット通販の購入履歴を残していれば、確認・証明する資料になり請求しやすくなります。高額なカメラや時計、バッグ、アウトドア用品などは、日ごろから購入記録を残しておくと、万一のときに役立ちます。

たとえば、カメラを海に落として沈んでしまったような場合は、通常の事故よりも証明が難しくなります。損害品そのものを確認できず、修理見積書も取得できないからです。このような場合には、事故現場の写真、事故直前・直後の写真、同行者や施設管理者の証言、購入時の領収書や保証書などをできるだけ残しておきましょう。単なる紛失ではなく、偶然な事故によって海中に落下し、回収できなかったことを具体的に説明できるようにしておくことが大切です。

注意していただきたいのは、事実と異なる申告をしないことです。置き忘れや紛失なのに盗難として届け出たり、事故状況を曖昧にして請求すると、後々大きなトラブルになる可能性があります。保険金請求では、事実を正確に伝えるようにしましょう。

出かける前に加入状況を確認しよう

旅行やレジャーに出かける前に、加入している保険を確認しましょう。火災保険に携行品損害補償の特約が付いている場合もあります。クレジットカードに旅行保険が付帯している場合もありますが、国内旅行では携行品損害が付いていないカードもあります。さらに、旅行代金をクレジットカードで支払った場合にだけ補償される「利用付帯」の条件があることもあるので、補償が付帯されているかだけでなく、有効になる条件も確認しましょう。携行品損害補償に加入していない、補償が不十分だとわかったら、レジャー保険や旅行保険への加入を検討しましょう。

レジャー保険は、旅行やキャンプ、スポーツ、アウトドアなど、レジャー中の事故に備える保険です。旅行中やレジャー中のケガによる死亡・後遺障害、入院、通院などの補償に加え、賠償責任補償や携行品損害補償がセットされている商品も多くあります。最近では、インターネットやスマートフォンから、日程に合わせて手軽に加入できる商品も増えています。

夏のレジャーは、家族や友人との大切な思い出をつくる機会だからこそ、持ち物のトラブルで楽しい気分や家計を大きく損なわないよう、事前の備えもしておきましょう。夏の旅行やレジャーが高額化しているからこそ、持ち物のリスクにも目を向けておきたいものですね。

情報提供: 家計の見直し相談センター(外部サイト)

ライタープロフィール

藤川太

ファイナンシャルプランナー。山口県出身。慶応義塾大学大学院理工学研究科を修了後、自動車会社で燃料電池自動車の研究開発に従事していたが、ファイナンシャルプランナーに転身し、「家計の見直し相談センター」で生命保険の見直しを中心とした個人向け相談サービスを展開している。同センターは2001年の設立以来30000世帯を超える相談を受けてきた。「分かりやすい、納得できる、利用しやすい」サービスを目指して活動中。 著書に『年収が上がらなくてもお金が増える生き方』(プレジデント社)、『やっぱりサラリーマンは2度破産する』(朝日新書)などがある。

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