このコラムは一般的な情報をご提供するものであり、当サイトの保険のご加入をお勧めするものではありません。
ネットで買ったタイヤを「タイヤ修理保険」で賢く守る
車のタイヤの交換には思った以上にお金がかかります。先日、私の愛車をディーラーの定期点検に出した時にタイヤ交換を提案されたのですが、その費用は数十万円にもなる見積りで驚きました。安全を考えるとタイヤを交換すべきですが、費用負担に悩んで交換を先送りする人もいるようです。
私は費用を少しでも抑えるためにインターネットでタイヤを購入し、取り付け店で交換してもらうことを選択しました。費用はディーラーの約1/3ほどになりましたし、新しいタイヤは快適で安心感があります。でも、トラブルがないわけではありません。提案されたタイヤを選んでいないので、何かあってもディーラーのお世話になりにくいでしょう。最近は私のようにタイヤをネット購入する人が増えましたが、何か良い手はないのでしょうか。
車のトラブルの5件に1件はタイヤトラブル
JAF(日本自動車連盟)が毎年公表しているロードサービス救援データ(2024年度)によると、年間出動件数は全体で約229万件もありました。そのうち「タイヤのパンク・バースト・エアー圧不足」は第2位の約46万7千件で、全体の20.35%を占めています。JAFが出動するロードサービスのほぼ5件に1件はタイヤトラブルなのです。
<図表>JAFロードサービス 主な出動理由TOP10(全体:一般道路+高速道路)
資料:JAF「ロードサービス救援データ」年間統計(2024年度)
一般道と高速道路に分けて分析してみると、傾向の違いが見られます。一般道でのタイヤトラブルは全体の約20%ですが、高速道路に限定すると約40%と2倍以上に跳ね上がり出動理由の第1位に躍り出ます。高速道路での走行はタイヤへの負荷が大きく、バーストが多く発生するのが特徴です。皆さんも高速道路上でバーストしたタイヤの破片が落ちているのを見たことはないでしょうか。
<図表>JAFロードサービス 主な出動理由TOP10(高速道路)
資料:JAF「ロードサービス救援データ」年間統計(2024年度)
次にこのタイヤトラブル件数を長期トレンドで見てみましょう。ここ5年間のJAF出動件数自体はほぼ横ばい、どちらかというと微減傾向で推移しています。ところがタイヤトラブルだけを見ると、直近の2024年度には46万7千件を超えているタイヤトラブルですが、2020年度は37万3千件でした。つまり、全体の出動件数が横ばいまたは微減傾向にある中でタイヤトラブルだけが増え続けているのです。
点検機会の喪失という構造問題
タイヤトラブルが増え続けている背景には構造的な問題があります。その問題としてメディアの取材に対しJAF担当者が指摘したのは「有人のガソリンスタンドが減り、他者によってタイヤを確認してもらう機会が減り、タイヤの破損やトラブルに気づきにくくなっている」ことです。
有人ガソリンスタンドが当たり前だった時代には、給油中に窓を拭いてくれたり、タイヤのチェックをしてくれたり、それが当たり前でした。「タイヤの空気圧が下がっていますよ」「タイヤの交換時ですよ」とスタンドスタッフから指摘されることもありました。セルフ給油が当たり前となった現在では、そうした光景は見られなくなりました。
もちろん自分で定期的にタイヤの空気圧や溝の深さ、破損の有無を点検していれば問題ありません。タイヤ点検は月1回が適正とされています。ところが、少し古いですが2017年にJAFが行った「タイヤのパンクに関するアンケート調査」によると、実際に月1回点検しているドライバーは全体の27.4%しかいないようです。つまり、大半のドライバーが空気圧の低下や破損に気が付かないまま走っている、ということになります。
さらに最近はスペアタイヤを搭載していない車が当たり前になりつつあります。昔はパンクをしても、自分でジャッキアップして交換していたものです。スペアタイヤが搭載されていないなら、ロードサービスを呼ぶしかありません。
新品タイヤでも油断できない3つの理由
タイヤトラブルは、古いタイヤだから発生すると思っていないでしょうか。新品タイヤでもパンクやバーストは発生しています。どうしてでしょうか。
まず多いのが、釘やネジ、ガラス片といった道路上に転がっている異物の踏み抜きです。これらは、新品タイヤであっても容赦なく刺さってきます。2022年9月に公表されたJAFのプレスリリースによると、2021年10月の1カ月間だけで、釘やネジを踏んだことによるパンク・バーストの救援が8,700件以上に上りました。
つぎに、「空気圧の自然低下」から発生するトラブルです。タイヤは走行しなくても空気圧が1カ月で約5%ずつ低下すると言われています。新品タイヤを取り付けた後に、空気がゴムを透過したり、バルブから空気が少しずつ抜けたり、と空気圧が低下していきます。空気圧が低い状態で高速走行すると、タイヤが波状に変形し最悪の場合バーストに至る「スタンディングウェーブ現象」が発生することも知られています。新品タイヤでも数カ月経過すると起こりうる現象です。
そして、「縁石や段差による外傷」にも注意が必要です。タイヤの側面は、路面と接する部分に比べてゴムが薄くなっています。側面を縁石に当てただけで亀裂が入ることもあります。側面に亀裂が入った場合、修理ができないこともあります。その場合、新品タイヤであっても「丸ごと1本交換」する必要があります。これらは新品タイヤでも起こりうるリスクです。
インターネットでタイヤを買う時代の到来
近年では、私のようにタイヤをネットで購入し、近くのショップや専門店に持ち込んで取り付ける人が増えています。インターネットでさまざまなショップが提示する価格を比較すると、価格に大きな差があることがわかります。簡単に比較できるので、メーカーやグレードを変えると価格がどう違うのかといった比較も簡単にできます。タイヤのオンライン購入は、今後も広がっていくでしょう。
ディーラーでタイヤを購入した場合では、次の点検のタイミングを知らせてくれたり、来店すればスタッフが空気圧や摩耗状態をチェックし異常があれば声をかけてくれます。ところが、インターネットで購入した場合は、近くの取り付けショップで装着したらそれで終わり、というパターンになりやすく、その後に点検するタイミングがほとんど生まれません。ガソリンスタンドがセルフ式になったことで点検機会がなくなったこととよく似た問題がタイヤのネット購入にはあるのです。
ネットで購入したタイヤのトラブルを補償する新しい保険
以上のように、社会の構造的にタイヤトラブルが増えています。この構造的問題の解消は難しく、今後もトラブルは増え続けていくと思われます。こうした状況を受け「購入後一定期間のタイヤ損傷を補償する保障サービス」が登場しています。従来の自動車保険やロードサービスでは、タイヤそのものの交換費用はカバーされないケースが多く、パンクやバーストのたびに予想外の出費が発生してしまうからです。
こうした保障のほとんどは、インターネット上でタイヤを購入した場合に適用できる保障サービスです。たとえば、購入後2年以内に発生したパンクやバーストなどのタイヤトラブルを補償対象と言った形で、対象期間内に発生したトラブルに対し補償してくれます。購入後に点検の機会がなくなった時代にピッタリな仕組みとして注目されています。
JAFのデータが示すように、タイヤトラブルは誰にでも起こりえるものです。古いタイヤだけでなく、新品タイヤでも安心はできません。タイヤトラブルを回避するには自分で毎月タイヤの点検をすることが第一の対策ですが、それでも完全に避けることはできません。万一に備えた保障と上手に組み合わせて、カーライフを楽しんでください。