あなたはどうしてる? 家電の延長保証

あなたはどうしてる? 家電の延長保証

家電量販店で家電製品を購入する人は多いでしょう。最近はオンラインで買い物をする人が多くなり、書籍や日用品といった商品だけでなく家電製品のような大型の商品までオンラインで購入する時代となりました。むしろ持ち運びしにくい大きな商品、重い商品ほどオンラインで購入するという人もいるかもしれません。インターネットによって私たちの生活が大きく変化した例の一つですが、こうした変化とともに保険の世界も着実に変化しています。


家電量販店の延長保証に加入している?

家電量販店で家電を購入する際に「延長保証」について提案を受けた経験はないでしょうか。家電製品には一般的に1年程度のメーカー保証がついています。保証期間内であれば故障した場合でも無償で修理をしてくれるというものです。

ただ、家電製品を使用するのはもっと長期にわたるのが普通です。使用期間が長くなるほど、故障率も高くなっていきます。そこで、家電量販店では、購入から3年間、5年間といったメーカー保証よりも長期の期間にわたり、機器の故障の際の修理について保証するのが「延長保証」です。実はこの延長保証も保険の一種ですから、保険料と内容のバランスを吟味することが重要です。

ある家電量販店を例に挙げると、購入価格の5%相当のポイントを保険料とし、5年間保証してくれます。つまり、10万円の家電製品であれば5000円分のポイントを支払って延長保証に加入します。保証期間中に故障した場合、1度限り修理代を上限範囲内で保証してくれる契約です(エアコンや洗濯機、冷蔵庫、大型テレビといった特定品目は何度でも保証されることになっています)。

いざ故障して修理するとなると結構な費用がかかります。そのため、万一のことを考え安心料として延長保証に加入する人は多いです。ただ、延長保証に加入したものの、故障しても保証されないというトラブルも少なくはありません。保証の対象となる故障が定義されているからです。

延長保証はメーカー保証の延長なので、メーカー保証同様に「自然故障」のみが保証対象となるのが一般的です。自然故障とは正常な使用状態での故障のこと。取り扱い説明書の注意書きに従った使用方法を正常な使用状態とされることが一般的です。ですから、落としてしまった、水濡れした、自然災害など異常な環境下で故障した、業務用として使用した、といった状態での故障は対象とはなりません。さらに、メーカー保証で修理できる場合は保証対象外となります。メーカー保証の期間が2年や3年と長い場合でも、延長保証の保険料は変わりませんので、延長保証に加入する前にメーカー保証の期間を確認すべきです。

ネットショッピングでも延長保証に加入できるようになった

実はこうした家電量販店の延長保証は、実店舗で購入した場合のみで加入できるのが一般的です。最近はオンラインショッピングサイトを展開している家電量販店も多いですが、延長保証についてはオンラインショッピングを対象外としていることが多いのです。では、オンラインショッピングで購入した家電製品はメーカー保証しか受けることができないのでしょうか。

近年、保険とIT技術の融合による発展を目指した「インシュアテック」への取り組みが進んでいます。損害保険会社がネットショッピングで購入した家電製品に対しても、長期の修理保証を提供するサービスが登場しました。現状では「PayPayモール」や「Yahoo!ショッピング」といった特定のオンラインショッピングモールで購入する家電製品が対象ですが、今後広がっていくものと予想されます。

保険期間や補償内容は家電量販店の延長保証と似ています。保険期間は3年、5年から選択しますが、保険期間が長いほど保険料は高くなります。保険期間内に家電が故障した場合、保険金額(商品の販売価格)を上限として修理代金を何度でも補償してくれます。ただし、家電量販店の延長保証と同様に自然故障のみが対象で、破損や自然災害などによる故障は対象外です。また、メーカー保証される場合の修理はメーカー保証が優先され、保険の補償対象外となります。加入する前にメーカー保証の期間も確認しておきましょう。

ネットオークションで落札した中古品でも補償される

家電量販店の延長保証やネットショッピングでの修理保険は、新品の家電製品を対象とした保険です。最近はさらに進んで「ヤフオク!」のようなネットオークションで落札したスマートフォンや家電の修理保険が登場しています。

ネットオークションで落札する商品の多くは中古品です。私もネットオークションを利用しますが、通常は現物を見ることができませんし、使用履歴もよくわからない状態で落札します。そのため、新品を購入する際よりも故障に対する不安は大きいものですが、中古品でも修理保険に加入することができるのです。

保険期間は延長保証や新品の修理保険よりは短くなります。スマートフォンは最長24カ月、家電は最長12カ月で、保険期間が長いほど保険料は高くなります。ですから、長期保証というよりも、状態が分からず購入することに対する保険と考えた方がいいかもしれません。

補償される保険金額は保険金額(落札価額)またはスマートフォンは2万円、家電は5万円のいずれか低い額が上限です。落札価額が10万円までの製品が対象の保険ですが、高額な商品の場合はこの補償上限によって修理費用が全額補償されないケースも考えられます。

一方で、補償内容は延長保証や新品の修理保険よりも広くなっています。自然故障だけでなく「水没」や「破損」も対象となります。特にスマートフォンを落として破損することは多いはず。そうした際にも修理代を補償してくれるのは助かりますね。

オンラインだと保険加入も保険金請求も簡単

オンラインショッピングやネットオークションで加入する保険はいわゆる動産総合保険という分野の商品ですが、加入方法は簡単です。オンラインショッピングで家電製品を購入する際の決済画面上でプランを選択し、必要事項を入力した上で加入します。通常の保険のように書類への記入は必要ありません。

また、家電量販店の延長保証では、修理時にはメーカー保証書の提出を求められることが一般的です。購入してから数年経っていると、保証書が見当たらないということはよくあることです。メーカー保証書を提示しないと延長保証の対象とならない可能性があるので注意が必要です。その点、オンラインで加入した修理保険の場合、オンラインで保険への加入履歴も確認できますし保険金請求も可能です。保険はいざという時に役に立たないと意味がありません。こうした点にも注目しておきたいところです。

国産の家電製品の故障率はそれほど高くはありません。ところが、最近は人気の海外製品も多く、私も海外製品を利用する機会が増えました。これらの海外製品の故障率や修理費用は国産製品より比較的高いように感じます。中古品であればさらに故障率は高くなります。

もちろん、延長保証や修理保険に加入せずに、メーカー保証が切れた後に故障したら自費で修理するか買い替えると考えるのも選択肢です。購入する商品によっては、故障率や故障した際の修理費用の負担に対する不安は消えないこともあるでしょう。こうした状況も合わせて考慮し、加入するかどうか検討してみましょう。

情報提供: 家計の見直し相談センター(外部サイト)

ライタープロフィール

藤川太

ファイナンシャルプランナー。山口県出身。慶応義塾大学大学院理工学研究科を修了後、自動車会社で燃料電池自動車の研究開発に従事していたが、ファイナンシャルプランナーに転身し、「家計の見直し相談センター」で生命保険の見直しを中心とした個人向け相談サービスを展開している。同センターは2001年の設立以来30000世帯を超える相談を受けてきた。「分かりやすい、納得できる、利用しやすい」サービスを目指して活動中。 著書に『年収が上がらなくてもお金が増える生き方』(プレジデント社)、『やっぱりサラリーマンは2度破産する』(朝日新書)などがある。

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