保険に入ればネットで中古商品も安心して買い物できる

このコラムは一般的な情報をご提供するものであり、当サイトの保険のご加入をお勧めするものではありません。

保険に入ればネットで中古商品も安心して買い物できる

高額な買い物をするのは勇気がいることですが、物価高が続くことでますます手が出にくくなってきました。勇気を出して大金を投じただけの価値を感じることができれば、それまでの不安は吹き飛ぶでしょう。でも、すぐに壊れたり、盗まれたりしたら、しばらく立ち直ることができないくらいショックを受けるかもしれません。安心して買い物をするために保険をかけることはできないのでしょうか。


商品を購入するまでも危険がいっぱい

お店で高価なグラスを手に取ってみていたら、うっかり落として割ってしまった。考えただけでも冷や汗がでるような状況です。店員さんが「いいですよ。お怪我はないですか?」と許してくれる可能性もあります。でも、自分に過失があり、商品が修復できないような状態であれば、弁償を求められることもあるでしょう。

こんな時に助けてくれる頼もしい保険が「個人賠償責任保険」です。個人賠償責任保険は、日常生活の中で他人にケガをさせてしまったり、他人のモノを壊してしまうことで生じた法律上の損害賠償責任に対して補償してくれる保険です。近年、自転車保険の義務化が全国に広がる中、注目度が上がっている保険です。自転車保険や自動車保険に加入している方であれば、個人賠償責任保険にも加入している方も多いでしょう。

まさに冒頭のケースは他人のモノを壊してしまい弁償することになったので、個人賠償責任保険が助けてくる可能性が高いでしょう。ただし、わざと店の商品を壊した場合には基本的に保険を使うことはできません。それどころか、お店の対応次第では器物損壊罪に問われることになるので知っておきましょう。

このように個人賠償責任保険は日常生活上のトラブルで幅広く助けてくれます。ぜひとも加入しておきたい保険の一つです。一般的には単体で加入することはできません。何らかの保険に特約として付加して加入します。すでに加入している自動車保険や火災保険があれば、特約として付加できないか確認してみましょう。PayPayほけんなどのインターネット上で契約できるサイトでは月数百円の保険料から加入できる保険も登場しています。加入していない人はぜひ調べてみましょう。

クレジットカードに付帯されている保険もチェック

あまり知られていませんが、買い物保険が付帯されているクレジットカードがあります。買い物保険はショッピング保険など、名称はさまざまですが、買い物をした商品が90日以内に破損したり、盗難に遭ったりした場合に補償をしてくれる保険です。

購入したセーターをうっかりひっかけてしまいほつれてしまった、購入した家電製品を落として破損した、購入したバッグをペットが噛んで破損した、というケースも補償の対象になります。

クレジットカードに付帯される保険なので、保険料を別途支払う必要はありません。ただし、保険が付帯されているクレジットカードを使って決済し商品を購入することが保険の対象となる条件です。保険をつけたければクレジットカードを使って買い物をしましょう。

補償される限度額はカードによって最高50万円、100万円、300万円などさまざまです。年会費の高いクレジットカードは高額決済ができるものが多く、補償限度額も高く設定されている傾向があります。

買い物保険は「動産総合保険」と言われる名称の保険で、保険期間は90日間と短いものの、自然故障以外の破損や盗難にも対応しているので心強いですね。ただし、どんな時でも補償の対象となるわけではないので注意が必要です。保険金が支払われない場合も確認しておきましょう。

カフェで使っているPCをそのままにしてトイレに行く人も少なくありません。トイレに行っている間にPCが盗まれたら、これは重大な過失があったとみなされます。こうしたケースは買い物保険でも補償してもらえません。また、単純に商品を紛失してしまったというケースも対象外です。

保険金の対象とならないケース

  • 故意による破損
  • 重大な過失による破損・盗難
  • 紛失
  • 食品類
  • 動植物
  • 現金、切手、商品券、チケット類

家電購入後の故障も保険が助けてくれる

家電を購入すると一般的には保証書がつけられます。6カ月といった保証期間内に故障が確認できた場合、保証書があれば無料で修理してもらえたり、新品に交換してくれます。保証書は保険のような役割を果たしています。

ただし、保証書は製品の初期不良に対応するための制度ですので、一般的には保証期間が短いのが難点です。そのため、家電量販店などでは、保証書が切れた後でも一定期間の製品保証をするための延長保証制度を運営しています。ある家電量販店では製品購入時に付与される5%に相当するポイント部分で5年間延長保証します。保証限度額が購入金額の100%から50%へと年々下がっていくものの5年間保証が続くのは安心できそうです。この制度もまさに保険のような制度です。また、延長保証の制度がない販売店で新品を購入した場合でも、別途加入できる延長保証保険も販売されています。

ネットオークションが発達するにつれ、中古製品の流通も多くなりました。さらに最近はネット上のショッピングモールで中古製品が販売されるケースも増えています。中古製品は新品よりも故障する確率は高く、購入するのは勇気がいるものです。中古製品の流通が増えるにつれ、一定期間の製品保証をつける販売店も増えてきました。同じような条件であれば保証がついている方の販売店で購入する方が安心です。とは言え、多くの販売店では中古品には保証はつきません。保証がつかないのであれば、保険でカバーできないのでしょうか。

Yahoo!オークションで落札した家電、スマホ本体が対象となる「PayPayほけん・あんしん修理」という保険があります。Yahoo!オークションですから、中古品でも対象となり、家電、スマホ本体が破損・水没などした場合に修理サービスを受けられます。保険期間はスマホ3~24カ月、家電3~12カ月で、保険料は落札金額と保険期間によって異なります。現状では中古品にかけられる保険はほとんど存在せず、大変珍しい保険と言えるでしょう。

この中古品対象の修理保険は現状ではYahoo!オークション限定ですが、こうした保険が普通の中古品売買にも広がってくれればより中古品売買は広がりを見せるはずです。今後この分野の保険がどのような広がりを見せるのか注目しましょう。

情報提供: 家計の見直し相談センター(外部サイト)

ライタープロフィール

藤川太

ファイナンシャルプランナー。山口県出身。慶応義塾大学大学院理工学研究科を修了後、自動車会社で燃料電池自動車の研究開発に従事していたが、ファイナンシャルプランナーに転身し、「家計の見直し相談センター」で生命保険の見直しを中心とした個人向け相談サービスを展開している。同センターは2001年の設立以来30000世帯を超える相談を受けてきた。「分かりやすい、納得できる、利用しやすい」サービスを目指して活動中。 著書に『年収が上がらなくてもお金が増える生き方』(プレジデント社)、『やっぱりサラリーマンは2度破産する』(朝日新書)などがある。

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