
このコラムは一般的な情報をご提供するものであり、当サイトの保険のご加入をお勧めするものではありません。
ネットショッピングで加入できる家具の修理保険
スマートフォンの普及で身近になったインターネットショッピング。私も以前は店舗で商品を探すことが楽しみの一つでしたが、最近はインターネットで検索をして購入することが多くなりました。こうした購買行動の変化は、家計にも変化を与えています。上手に買い物ができれば家計の節約にもつながります。一方で「つい買ってしまった」と言う衝動的な買い物が多い方にとっては、インターネットショッピングは家計を苦しめる原因になっていることも。さらに、インターネットショッピングの普及は、新しい分野の保険商品も生み出しました。
成長が続くEC市場
経済産業省がまとめている電子商取引に関する市場調査報告書によると、2022年の国内の消費者向けEC(電子商取引)市場規模は22.7兆円と前年比9.91%も成長しました。コロナ禍で一旦成長が止まったように見えたEC市場ですが、再び力強い成長を見せています。2013年のEC市場規模は11.1兆円でしたから、ほんの10年間で約2倍の規模にまで成長しました。
<図表>消費者向けEC市場規模の推移
(資料)経済産業省「令和4年度 電子商取引に関する市場調査 報告書」
EC市場は物販系、サービス系(旅行、飲食、金融等)、デジタル系(電子出版、音楽・動画配信等)の3分野に分けられますが、このなかで市場規模が圧倒的に大きいのが物販系分野で全体の61.5%(13.9兆円)を占めています。
ついに「書籍、映像・音楽ソフト」のEC化率が50%超え
皆さんはどのようなものをインターネットで買い物しているでしょうか。物販系のEC市場規模を見ると1位「食料、飲料、酒類」2.7兆円、2位「生活家電、AV機器、PC・周辺機器等」2.5兆円、3位「衣類・服装雑貨等」2.5兆円、4位「生活雑貨、家具、インテリア」2.3兆円、5位「書籍、映像・音楽ソフト」1.8兆円と続きます。市場規模が大きいほど多くの人が利用しているように思えますが、これらの中にはあまり購入したことないもののも含まれているはずです。それもそのはず。市場規模が大きくても「食料、飲料、酒類」のようにEC化率がまだまだ低い物品もあるからです。
<図表>物販系分野の消費者向けEC市場規模
(資料)経済産業省「令和4年度 電子商取引に関する市場調査 報告書」
EC化率が高いほど街中の店舗ではなく、インターネットで買い物をしている人が多いことになります。EC化率の高さで見ると、1位「書籍、映像・音楽ソフト」52.16%、2位「生活家電、AV機器、PC・周辺機器等」42.01%、3位「生活雑貨、家具、インテリア」29.59%と続きます。
このように1位の「書籍、映像・音楽ソフト」のEC化率は、ついに50%を超えました。私が大昔に初めてインターネットで買い物をしたのは書籍でしたが、いまや街の書店やレコード店等で購入するよりも、インターネットで買う金額の方が大きくなったわけです。街中の店舗がどんどん無くなっていますが、私たちの購買行動の変化が原因となっているのです。
購買行動の変化が買い物保険を普及させる
家電製品は初期不良がある程度見込まれるため、1年や2年といった一定期間の保証期間が設けられていることが一般的です。保証期間内の自然故障であれば、原則無料で修理してもらえるので私たちは安心して家電製品を購入できるという仕組みです。
いまでも家電は家電量販店で購入する人も多いと思います。家電量販店ではメーカーの製品保証に加え、販売店としての延長保証を売りにしているケースが多く見られます。家電製品にもよりますが、10年といった長期間にわたり保証を提供する店もあります。延長保証に加入するために商品価格の数%を保険料として支払う店がある中、無料で延長保証をつける店もあります。
保証期間が終わってから故障する。期間が経過するほど壊れやすくなるのは当たり前なのですが、修理費用が数万円と高額になると家計には痛いですね。こんなときに頼りになるのが延長保証です。インターネットほどは安くなくても、こうした保証があれば安心できるという人は多いはずです。
一方、家電製品のEC化率は42%にまで上がってきており、インターネットで購入する人が年々増えている状況です。少しでも安く購入したいと、インターネットで検索をして商品を探している人も多いはず。インターネット上では、価格を安く設定している店舗が多い一方で、家電量販店のような延長保証を提供していない店舗も多く見られます。
メーカー保証さえついていれば価格は安い方がいい、と考えるのであれば、問題ないかもしれません。それでも、安い方がいいし、安心も欲しい、と言う人のために、家電量販店の延長保証のような保険が普及し始めました。「修理保険」「買い物保険」と言った名称で販売されている保険ですが、正式には「動産総合保険」という商品です。インターネットで家電製品を購入する人が増えたことで新しい分野の保険が登場したのです。
ついに家具版の買い物保険が登場
そして、EC化率が約30%にまで上がってきた「家具」の修理保険も登場しました。この保険はインターネットで新品家具を購入する際に加入できます。保険期間は3年または5年を選択して加入し、保険期間内に修理が必要になった場合には商品価格を上限に保険金が支払われます。
家具は家電に比べメーカー保証自体が当たり前ではありません。独自の保証をする家具店も中にはありますが、これも一部に止まり当たり前ではありません。家電よりも家具の方がインターネットで購入する不安は大きいかもしれません。そういう意味でも家具版の修理保険は"ついに登場した"と言ってもいい保険かもしれません。
インターネットでの買い物は便利です。素敵な商品、お得な商品を見つけるのが楽しみと言う方も多いはず。一方で、インターネットでの買い物は販売者の顔が見えにくいのが難点です。すぐに故障した、ダメになった、とガッカリしないためにも、修理保険、買い物保険も上手に使いこなしましょう。