インフルエンザの流行前にしておくべきこと

このコラムは一般的な情報をご提供するものであり、当サイトの保険のご加入をお勧めするものではありません。

インフルエンザの流行前にしておくべきこと

暑い夏も終わりに近づき、秋の気配を感じるようになりました。例年であれば、インフルエンザの流行シーズンは12月~3月と言われていますが、2023年は9月に入ってから流行が始まりました。2024年も同じように全国的な流行が早く見られるかどうかわかりませんが、すでに流行が始まっている地域が出てきました。2024年は2023年同様に例年よりも早い準備を心がけましょう。


インフルエンザと風邪は違う病気

発熱、咳、くしゃみ、鼻水など、似たような症状を示すインフルエンザと風邪ですが、風邪の症状が重くなったのがインフルエンザではありません。
それぞれウイルスによる感染症ですが、ウイルスの種類が違います。インフルエンザはインフルエンザウイルスによって引き起こされる病気ですが、風邪は一般的にはライノウイルスによって引き起こされます。異なるウイルスによる感染症なので、別の病気です。
インフルエンザの発熱は38℃以上の高熱が出ることも特徴で、頭痛、関節痛、筋肉痛などの症状も伴うことが多いことも特徴です。こうした症状から、インフルエンザを発症するととても身体がつらいのですが、ほとんどの人は軽症ですみます。ただ、中には肺炎やインフルエンザ脳症といった症状になり重症化する人もおり、最悪のケースでは死亡することもある感染症です。
夏風邪という言葉もあるように、風邪は季節を問わず流行します。一方で、インフルエンザは例年12月~3月に流行します。この時期に流行するインフルエンザは季節性インフルエンザとも言われます。

インフルエンザから身を守ろう

では、インフルエンザを予防するにはどうしたらよいのでしょうか。インフルエンザの感染経路は主に接触感染と飛沫感染です。そこで次の3つの予防ポイントが推奨されています。

1)こまめに手洗いとうがいをしよう
コロナ禍でも手洗いとうがいは推奨されていましたから、すっかり習慣づいた方も多いのではないでしょうか。インフルエンザに感染した人が触ったドアノブやつり革などに触れることで、手にウイルスが付着することも考えられます。手に付着したウイルスが鼻や口から入り込むことを防ぐためにも、特に外出した後には手洗いとうがいで洗い流しましょう。

2)マスクの着用
インフルエンザは飛沫感染します。咳やくしゃみどころか、会話するだけでも飛沫は飛びます。特に学校や職場など人が多く集まる場所では、飛沫感染のリスクが高まります。マスクを着用することで口や鼻を飛沫から守り感染リスクを下げることができます。
また、インフルエンザに感染したと思ったら、マスクを着用しましょう。他の人に感染させてしまうリスクも下げることができます。

3)室内の換気や加湿
室内の空気を定期的に換気することで室内のウイルスの濃度を下げることができます。また、インフルエンザはのどや鼻などの粘膜から感染しますが、空気が乾燥し粘膜が傷つくと感染しやすくなります。加湿器などで適度な湿度を保ちましょう。

流行前にインフルエンザワクチンを接種するのは有効

もう一つの有効な対策としてインフルエンザの流行が始まる前にインフルエンザワクチンの接種を検討しましょう。
コロナ禍では何度もワクチンを打った方もいるはずです。ただ、コロナウイルスに注目が集まりすぎたので、インフルエンザワクチンはしばらく接種していない人も多いのではないでしょうか。
コロナワクチンとしてはmRNAワクチンという新しい技術で作られたワクチンが使用され話題となりました。mRNAとは体内でたんぱく質を作る際の遺伝情報です。ウイルスのたんぱく質を作るもとになる遺伝情報の一部を注射して体内に取り込むことで、ウイルスのたんぱく質の一部が作られ、それに対する抗体などができることが期待されます。こうした作用でウイルスに対する免疫ができるとされるのがmRNAワクチンです。ただ、新しい技術だけに人体への安全性が不透明で、接種すべきか大きな論争となりました。世界的に莫大な数の方が接種しましたので、人体への実際のリスクについて今後評価されていくでしょう。
一方のインフルエンザワクチンは不活化ワクチンという、長い歴史のある技術が使われています。不活化ワクチンはウイルスの毒性や感染する能力を失わせたものを、原材料として作られます。そのため、ウイルスとしての働きはしないため、ワクチンを打つことでインフルエンザに感染することはない安全性の高いワクチンです。
その代わり、ワクチン接種によって生み出される免疫力は弱い傾向があります。接種しても飛沫感染や接触感染を阻止することはできませんが、発病を一定程度予防したり、発病後の重症化や死亡を防ぐことが期待できます。インフルエンザワクチンの接種には3000~4000円程度の費用がかかりますが、重症化しやすい持病を持っている方や高齢者などは積極的に接種したいところです。お住まいの地域や年齢によっては補助や助成を受けられる場合もありますので調べてみましょう。

インフルエンザにも保険は役に立つ

以上のような対策を取ることで感染したり発症したりする可能性を下げることはできますが、感染する時には感染してしまうものです。発症した時には保険が使えるか確認しましょう。 保険は大きく分けて人の保険である生命保険分野と、物の保険である損害保険分野に分けられます。このうちインフルエンザになった際に役に立つのが生命保険分野です。インフルエンザに感染し残念ながら死亡した場合には、定期保険や収入保障保険、終身保険など死亡保障に加入していれば死亡保険金が支払われます。医療保険にも死亡保障が付いている保険もあり、その場合は死亡保険金が支払われます。また、入院治療を受けたら、医療保険から入院給付金を受け取ることができます。
ただし、インフルエンザでは入院せず、通院して薬を受け取るだけ、と言うケースが大半でしょう。この場合、医療保険に通院特約が付帯されていても、支払われないケースが大半です。なぜなら通院特約は、入院給付金が支払われる入院をし、退院後に継続して通院治療する場合に支払われるのが一般的だからです。そのため、入院を伴わない通院治療では支払われません。
最近では一般的な医療保険以外に、インフルエンザ保険といった名称のインフルエンザに特化した保険も登場しています。入院給付金だけでなく、抗インフルエンザ薬を処方されたら見舞金がもらえるといった、一般的な医療保険ではカバーできない通院だけの治療にも対応しています。月額数百円の保険料で手軽に加入できます。保険期間は1カ月から加入できるので、インフルエンザが流行する時期だけ加入することができますね。インフルエンザが流行する前のこの時期に、予防からワクチン接種、保険による対策に至るまで、しっかりと確認し流行期に備えましょう。

情報提供: 家計の見直し相談センター(外部サイト)

ライタープロフィール

藤川太

ファイナンシャルプランナー。山口県出身。慶応義塾大学大学院理工学研究科を修了後、自動車会社で燃料電池自動車の研究開発に従事していたが、ファイナンシャルプランナーに転身し、「家計の見直し相談センター」で生命保険の見直しを中心とした個人向け相談サービスを展開している。同センターは2001年の設立以来30000世帯を超える相談を受けてきた。「分かりやすい、納得できる、利用しやすい」サービスを目指して活動中。 著書に『年収が上がらなくてもお金が増える生き方』(プレジデント社)、『やっぱりサラリーマンは2度破産する』(朝日新書)などがある。

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