ゴルフをするならゴルファー保険に加入しておこう

このコラムは一般的な情報をご提供するものであり、当サイトの保険のご加入をお勧めするものではありません。

ゴルフをするならゴルファー保険に加入しておこう

松山英樹選手がゴルフのメジャー大会の一つであるマスターズで、日本男子選手で初めて優勝しました。ゴルフはお付き合い程度の私でも、最終日には早朝からテレビの前に陣取り応援しました。最後までしびれる試合展開でしたが、最後に優勝が決まりもらい泣きをしてしまいました。松山選手に刺激を受け、久しぶりにクラブを握ってみた、という方も多いのではないでしょうか。そういう方こそゴルフに行く時にはゴルフ保険に加入することを検討しましょう。


ゴルフ保険は4つの保険がセットされたレジャー保険

ゴルフ保険はレジャー保険の一種ですが、ゴルフ独特の保険がセットされた商品です。多くの損害保険会社から商品が販売されていますが、おおむね①自分のケガに備える保険、②他人にケガをさせてしまった時に備える保険、③大切なゴルフクラブなどを壊してしまった時の保険、④ホールインワンを決めた時のための保険、の4種類の補償がセットされています。

<ゴルフ保険の基本保険セット>

自分のケガに備える保険
他人にケガをさせてしまった時に備える保険
大切なゴルフクラブなどを壊してしまった時の保険
ホールインワンを決めた時のための保険

自分のケガに備える保険

久しぶりのゴルフだと、まず注意したいのがケガです。つい力いっぱいにクラブを振りがちで、ボールが右に左に飛んでいきがちです。また、ボールを探しているうちに、林の中や斜面で転がってしまうかもしれません。そもそも、普段運動していない人が、急に運動するとケガをしがちです。かすり傷程度であればまだいいですが、大きなケガにもつながるかもしれません。

自分のケガに備える保険はケガを原因とした死亡・重度障害に対する保険やケガ入院やケガ通院の保険が該当します。ただ、ゴルフ保険では、自分のケガに備える保険はあまり重視されていない商品が見られます。ケガによる死亡・重度障害に対する保険がついているだけで、入院や通院に対する保険はないという商品も少なくありません。

いわゆるケガに備える傷害保険なのですが、ゴルフ保険ではゴルフ場やゴルフ練習場の敷地内で、ゴルフのプレー中、練習や指導中の事故でケガをした場合のみ対象となるのが一般的です。一般的にゴルフはスポーツの中では、激しい運動ではありません。そのため、大きなケガは他のスポーツに比べると多くはないでしょう。自分のプレーの特徴を考え、ケガに備える保険の優先順位を検討しましょう。

他人にケガをさせてしまった時のための保険

久しぶりのゴルフだと、一緒に回る組の他のメンバーとの間合いも上手く取れないかもしれません。周囲をよく確認せずスイングして、振ったクラブや打ったボールが他人に当たってしまう事態が起こりがちです。自分がケガをしたならともかく他人にケガをさせてしまった場合、そのケガに対する責任が発生してしまいます。

こうした被害者に対する損害賠償責任をカバーしてくれるのが「個人賠償責任保険」です。ゴルフ保険の中で最も大切な保険と言ってもいいでしょう。ゴルフ保険には通常セットされていますが、加入前に個人賠償責任保険の保険金額を確認しておきましょう。他人がケガどころか障害状態になったり、死亡したら高額な賠償額となることが想定されます。保険金額1億円以上を目安としたいところです。

個人賠償責任保険は保険会社によっては生活賠償責任保険といった名称で販売されています。ところが、ゴルフ保険にセットされている個人賠償責任保険は、ゴルフのプレー中、練習中の事故に限定される特約がついていることが一般的です。この特約が付いている場合は、ゴルフ以外の日常生活での事故は対象になりません。

大切なゴルフクラブなどを壊してしまった時の保険

ゴルフ中に大切なゴルフクラブをうっかり折ってしまったり、ゴルフバッグが盗難に遭うこともあるでしょう。こうしたゴルフ用品の破損、曲損事故や盗難による被害を補償してくれる携行品損害保険です。

ただし、保険の対象となるのはゴルフ場やゴルフ練習場敷地内での事故に限られます。帰り道に寄った飲食店で盗難に遭ったといったケースでは対象になりません。また、新品を購入できる額を補償してくれるわけではありません。補償してくれるのは修理費用と時価額のどちらか小さい方の額です(保険金額が限度)。

ホールインワンを決めた時のための保険

ゴルファーなら誰もが一度はやってみたいホールインワン。諸説ありますが、ホールインワンが出る確率は1万2000分の1なのだそうです。ホールインワンは通常は3打でパーとなるショートホールでしか発生しません。1ラウンド18ホールのうち、一般的にはショートホールは4つだけですから、3000回ラウンドするうちに1回の確率で発生することになります。一生に一度あるかないか、と言われますが、この確率を見ると分かります。

また、ホールインワン保険という名称ではありますが、ホールインワンだけでなくアルバトロス(規程打数よりも3打少ないスコア)も保険金の支払い対象となります。ただ、アルバトロスはホールインワンよりもはるかに難易度が高く、私は達成者と会ったことがありません。

このようにホールインワンやアルバトロスを達成することは滅多にありません。でも、宝くじの1等よりはるかに高い確率で発生します。宝くじの1等に当たった人に会ったことはなくても、ホールインワンをしたことのある人に会ったことがある人は多いはず。ちょうどいいくらいに「自分も出るかも」と期待させてくれる確率なのかもしれません。

ホールインワンを達成すると、達成者がお金を出して祝賀会や記念品を贈るという謎風習があります。ホールインワン保険は、こうした祝賀会や記念品、記念植樹などにかかった費用を補償してくれる保険です。お祝い金や賞金のように一時金が出ると勘違いしないようにしましょう。

また、ホールインワン保険金が支払われるには条件があるので注意が必要です。基本的に第3者が目撃したことの証明が必要です。理想的には一緒にコースを回ったキャディなどのゴルフ場のスタッフが目撃し証明してくれることです。ただ、最近はキャディをつけないセルフプレーが中心ですが、セルフプレーで達成しても補償しないとしている保険もあります。

保険会社によっては、キャディだけでなく一緒にプレーした同伴者の証明も必要であったり、同伴者の証明だけで支払うとしている保険もあります。さらに、ショットからカップインまでの連続した動画を証拠として提出することで補償されるとする保険もあります。プレーする前に保険金の支払い条件についてはよく調べておきましょう。盛大に祝賀会を開いた後に保険金が出ないことを知る、ということにならないようにしましょう。

保険期間は1年間が主流だが1日から加入できる保険も登場

ゴルフ保険は補償の対象をゴルフに限定しているだけに一般の傷害保険などに比べ保険料が割安に設定されています。保険期間が1年間の場合、保険料の水準は月500円前後が多くなっています。たとえば、月保険料が500円であれば、大きな金額ではありませんが、1年続けると6000円とそこそこまとまってきます。それでも、月に1~2回とコンスタントにゴルフに行く方であれば、十分に割安でしょう。

一方で、年にほとんどゴルフに行かないような方であれば、保険期間1年間で契約すると割高になるかもしれません。ゴルフ保険には1日や1泊2日から加入できる商品も登場しています。保険料の水準は同じように500円前後なのですが、保険期間1年で加入するよりも多くの場合で補償が手厚くなっています。また、何よりゴルフに行く時だけ加入すればいいので、1年通して見たら無駄なく保険に加入できるでしょう。

1日や1泊2日から加入できるゴルフ保険は、一般的にインターネット上で加入することができます。気軽に加入できるので、ゴルフに出かけることが決まったらあわせて保険加入もしておくと安心ですね。

情報提供: 家計の見直し相談センター(外部サイト)

ライタープロフィール

藤川太

ファイナンシャルプランナー。山口県出身。慶応義塾大学大学院理工学研究科を修了後、自動車会社で燃料電池自動車の研究開発に従事していたが、ファイナンシャルプランナーに転身し、「家計の見直し相談センター」で生命保険の見直しを中心とした個人向け相談サービスを展開している。同センターは2001年の設立以来30000世帯を超える相談を受けてきた。「分かりやすい、納得できる、利用しやすい」サービスを目指して活動中。 著書に『年収が上がらなくてもお金が増える生き方』(プレジデント社)、『やっぱりサラリーマンは2度破産する』(朝日新書)などがある。

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