ゴルフ中のもしもに備える保険の選び方

このコラムは一般的な情報をご提供するものであり、当サイトの保険のご加入をお勧めするものではありません。

ゴルフ中のもしもに備える保険の選び方

長らくゴルフ人口は減少トレンドを描いていますが、ここに来て明るい兆候がみられています。その一つが女性ゴルファーの増加です。以前であればゴルフ場には男性ばかりが集まっている印象がありましたが、いまでは女性だけでゴルフを楽しんでいるグループもよく見られます。女性のお客さんが増えれば男性のお客さんも増える、という俗説がありますが、ゴルフ場にも同じような現象が見られるのか注目が集まります。


若年層と女性のゴルファーが増えるかがカギ

ゴルフ人口の推移を知ることができる統計の一つにスポーツ庁の「スポーツの実施状況等に関する調査」があります。毎年調査が実施され、しかも対象人数が4万人という規模の統計で信頼性の高いものです。
2023年11月に実施された調査の結果が先日公表されました。この1年間でコースでのラウンドを楽しんだと回答した人は5.5%と、前回の2022年11月調査よりも0.9ポイントも減少してしまいました。2016年から続くこの調査ではおおむね6%台で推移してきましたので、5%台への突入は衝撃的な数字です。この大幅減少は男性が11.0%→9.4%へと大きく減少していることが要因であることが分かります。
ゴルフには構造的な問題が存在しています。一般的なスポーツでは若年層が中心で楽しまれています。一方で、ゴルフは高齢になるほど楽しむ人口が増えていく傾向がある特殊なスポーツです。前向きにとらえると生涯楽しむことができるスポーツと言えそうですが、ゴルフブームが全盛だったバブル経済期に楽しんだ方が年齢を重ねたことで、現在のゴルフ人口の構成が出来上がったという面も見逃せません。このまま現在の60代以上の男性が年齢を重ねゴルフから引退していけば、ゴルフ人口はさらに減少していくことになりそうです。人口構成のいびつさを改善していくには、もっと若い人が気軽にゴルフを楽しむことができるようにしていくべきでしょう。
一方で、女性ゴルファーの存在は明るい材料として捉えられています。男性ゴルファーが減少している中、女性ゴルファーは横ばい傾向が続いており、男女比で見ると女性の割合が上がってきています。女性も年齢が高くなるほどゴルフを楽しむ人の割合が上がっていく傾向は男性と同じですが、男性よりも年代による差が少ないことが特徴です。まだまだ女性ゴルファーは全体の20%にも満たない水準です。女性ゴルファーがもっと増えていくかどうかが、ゴルフというスポーツの今後を左右するカギとなりそうです。

ゴルフを楽しむために保険は必須アイテム

ゴルフは高齢者でも楽しめるスポーツなので、ゆったりとしたスポーツと思われがちです。ところが、実際には意外にケガや事故が多いスポーツです。
ゴルフ場はカートで移動することも多く、歩く距離は短いと思われがち。右に左に打ってしまうプレーヤーは、フェアウェイ上をゆったりと移動することがなかなかできません。そのため、カートで移動するより走ったり歩いたりする距離の方が長くなってしまいます。多くのゴルフ場は起伏も激しく、その中を走り回ればケガも起こりやすくなります。また、ゴルフのスイングは瞬間的に力を発揮するため、足腰だけでなくテニス肘のような故障も多く見られます。大きなケガをしてしまえば治療費もバカになりません。
ただ、ケガであれば自分だけの問題で済みます。ところが、ゴルフ場ではたくさんの人がプレ―しており、その中で長いクラブを振って堅いボールを遠くまで飛ばします。いくら注意していても、思うようにボールを飛ばすことは難しいので、他人にボールが当たりケガをさせることも考えられます。周囲の確認が足りず振ったクラブでケガをさせてしまうこともあるでしょう。カートで他人を轢いてしまう事故も発生します。他人に迷惑をかけてしまえば損害賠償責任が問われることになるでしょう。
ゴルフを安心して心から楽しみたいのであれば、こうした万が一の事態を想定し、しっかりと備えておくべきです。損害保険会社でゴルファー保険という保険商品が多く販売されています。プレーする前にゴルファー保険に加入するのはいまや必須と言ってもいいものです。
ゴルファー保険と言えば「ホールインワン保険」のイメージが強い方が多いかもしれませんが、一般的には「ケガ保険」「個人賠償責任保険」「ホールインワン保険」の3つが基本セットになっています。


ゴルファー保険の基本セット



この基本セットのうちケガ保険は自分がケガをした時のための保険です。他に死亡保険や医療保険等に加入していれば追加で加入しなくてもいいかもしれません。
もっとも重要なのは他人の身体や財物に損害を与えてしまい、法律上の損害賠償責任を負った場合に助けてくれる個人賠償責任保険です。ゴルフでは他人にケガをさせるだけでなく、最悪の場合、死亡、障害状態となることも想定されます。こうした重大事故が発生すると高額な損害賠償判決も珍しくないため、1億円以上の保険金額で加入しておきたいところです。ただ、個人賠償責任保険は、自動車保険や自転車保険などに特約で加入しているケースも増えています。補償が重なってしまう可能性がありますので、他の保険も確認しておきましょう。
3つ目のホールインワン保険はホールインワンやアルバトロスを達成した際に保険金が支払われる保険です。この基本セットの中ではもっとも知られている保険かもしれません。一方で、もっとも重要度の低い保険と言ってもいいかもしれません。
ご存じのようにホールインワンやアルバトロスは滅多に達成できません。ホールインワンを達成する確率はアマチュアであれば1万分の1と言われており、宝くじに当たるような確率です。それもあってか、達成した際には祝賀会を開いたり、記念品を贈呈する習慣があります。なぜか周囲の人ではなく達成した本人がお金を払って振る舞います。こうした経費に対し保険金額を上限に補償してくれる保険です。
ただし、ホールインワンを達成すれば必ずもらえるわけではありません。保険金が支払われるには、実際にホールインワンを達成したことを証明できないといけません。保険会社によって条件が違いますが、一般的には目撃した同伴プレーヤーとキャディの署名の提出が必要です。最近はキャディがつかないセルフプレーが多くなっており、その場合は映像を提出して証明できる場合もあります。事前に条件を確認しておかないと、万が一の時に保険金が出ないということになるので注意しましょう。
それ以外にもゴルフ用品が破損した場合に保険金が支払われる保険などがセットされることも多くあります。ただし、当然ながら補償される内容が多く、手厚い保険になればなるほど保険料は高くなります。ニーズに合わせて選びましょう。

インターネットでの加入がおすすめ

ゴルファー保険は団体保険や保険代理店で加入する人もいますが、いまではインターネットからの加入が一般的になっています。インターネットでの加入の方が手軽に手続きできますし、保険料が割安に設定されているケースが多くおすすめです。
ゴルファー保険の保険期間は1年間が一般的でしたが、インターネットでの加入が広がることで保険期間1日から加入できる保険が多くなってきました。補償内容にもよりますが、保険期間1年間の保険であれば年間保険料が3,000~5,000円程度の保険が多く見られます。ゴルフが好きで何度も出かける人であればこうした保険期間1年の条件で加入した方が割安かもしれません。ところが、私のようにめったにゴルフに行くことがない人であれば、保険期間1日から加入できる保険はとても便利です。中には1日あたり保険料110円から加入できる保険もあります。しっかりと比較検討して自分のスタイルに合わせて選びましょう。

情報提供: 家計の見直し相談センター(外部サイト)

ライタープロフィール

藤川太

ファイナンシャルプランナー。山口県出身。慶応義塾大学大学院理工学研究科を修了後、自動車会社で燃料電池自動車の研究開発に従事していたが、ファイナンシャルプランナーに転身し、「家計の見直し相談センター」で生命保険の見直しを中心とした個人向け相談サービスを展開している。同センターは2001年の設立以来30000世帯を超える相談を受けてきた。「分かりやすい、納得できる、利用しやすい」サービスを目指して活動中。 著書に『年収が上がらなくてもお金が増える生き方』(プレジデント社)、『やっぱりサラリーマンは2度破産する』(朝日新書)などがある。

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