
このコラムは一般的な情報をご提供するものであり、当サイトの保険のご加入をお勧めするものではありません。
スキー場での装備と保険加入の準備
雪質が海外から高く評価され、海外からの観光客であふれかえるようになった日本のスキー場。いまや外国のような雰囲気を持つようになったスキー場も出てくるほど。長野県白馬村では2023-24シーズンの観光客数が前年比123%増と大幅に増え、過去20年で最高の人出となったようです。人が集まるようになったことで再開発が進み、地価の高騰にもつながっている地域も出ています。わが国のスキーやスノーボードといったウィンタースポーツの愛好者は昔に比べ少なくなったようですが、再びブームがやって来そうな勢いを感じます。初心者の方だけでなく、久し振りにスキー場に行ってみよう、と考えている人も多いでしょう。スキー場は日常とは違う厳しい自然環境の中にあります。出かける前にしっかりと準備して出かけたいところです。
楽しむために必要なアイテム
スキーやスノーボードは自然の中で楽しむスポーツ。楽しむにはキチンとした装備が必要です。
まずはウェアですが、とても寒い場所に行くので防寒対策が必要です。スキーウェアを購入すると上下で数万円もします。年に何度も行くなら購入してもいいかもしれませんが「行ってみよう」という程度の方には高すぎます。こんなときに利用したいのがレンタルウェアです。スキー場に行けば多くの場合でスキーウェアをレンタルすることができます。
一方で、自分で準備しておきたいのが、グローブやゴーグル、帽子などの装備です。肌に触れることが多い装備は、レンタルできるスキー場が少ないので自分で準備する方が安全です。また、下着や靴下、セーター、インナーウェア、カイロなど、汗をかいたり、肌に触れるものは基本的にはレンタルできません。これらの小物類は比較的価格が安いものが多いので、自分で準備しておきましょう。
次に、肝心のスキーセット(スキー板+ストック+ブーツ)やスノーボードセット(スノーボード+ブーツ)ですが、これらも購入すると高額ですし、初心者や久しぶりに行く人であればレンタルすることをお勧めします。スキー場まで重い荷物を持ち運ぶ必要もないので、何と言っても行き帰りが楽です。
準備品で忘れやすいのが「日焼け止め」です。雪は紫外線をよく反射するため、ゲレンデでは雪焼けに注意が必要です。スキーやスノーボードを長時間楽しむのであれば、何度か塗り直せるようスキーウェアに入れて持ち歩くとよいでしょう。
<図表>レンタルできるアイテム
レンタルするならツアーを利用しよう
スキーセットやスノーボードセット、それとウェアがレンタルできる基本アイテムです。スキー場でこれらをレンタルすることができます。レンタル料はスキー場によって異なりますが、スキーセットやスノーボードセットは5,000円程度、ウェアは4,000円程度という相場観です。合計すると1万円近くにもなり、かなりの負担ですね。スキー場によっては一式で借りればセット料金が適用され割引が効く場合もあるので確認しましょう。
実はツアーを利用すると、多くの場合でこれらのレンタル料がグッと安くなります。ツアー料金の中にレンタル料が含まれている場合もありますが、オプションでレンタルする場合でも中には1000円以内の追加料金でレンタルできるスキー場があります。
スキーやスノーボードを楽しむには、リフト券も購入する必要があります。ツアー料金の中にリフト券も含まれているツアーも多くあります。往復の交通費とリフト券、そしてレンタル料金を合計して費用を比較するとよいでしょう。
出かける前には保険加入もお忘れなく
スキーやスノーボードは自然の中で楽しむスポーツです。そのため、日常生活では考えられないような事故や事件が起こるものです。出かける前の準備として、保険加入も忘れないようにしましょう。
加入しておきたい保険は、「スキー・スノボ保険」といった愛称の保険も増えてきたので分かりやすくなりましたが、スキーやスノーボードを楽しむためにつけておきたい特約を付加した「傷害保険」です。
<図表>スキー・スノボ保険の一般的な内容
スキー・スノボ保険のほとんどは主契約が傷害保険なのでケガによる死亡、ケガによる入院・通院に対する保障が基本セットです。この基本セットに「個人賠償責任」「携行品損害」「救援者費用」といった特約を付加した形で販売されています。特に重要なのはこれらの特約たちです。
スキーやスノーボードでは、転ぶなどしてケガをする事故は当たり前のように発生します。そのため、ケガに対する保障に加入していれば心強いはずです。自分のケガであれば主契約の傷害保険で補償されるかもしれません。ただ、事故は自分だけで済むとは限りません。他人を巻き込んでしまい、ケガをさせてしまうかもしれません。最悪、相手が死亡したり、障害状態になることもあるかもしれません。偶然の事故によって他人の身体や財産に損害を与えてしまい、賠償責任が問われてしまうケースで助けてくれるのが「個人賠償責任」です。最近は賠償責任で請求される金額も大きくなっているので、保険金額が1億円以上の保険を選んだ方がよいでしょう。
「携行品損害」は自分の持ち物が万が一壊れてしまったり、盗まれた場合に助けてくれる保険です。この保険はあくまで自分の持ち物が対象(スマホなど対象外のものもあります)なので、自分のスキー板が壊れた、盗まれたと言った場合では保険金が出ますが、レンタル品の場合は対象ではありません。レンタル品の場合には、一般的に別途で保険が掛けられているので、そちらの保険で補償されるか確認しましょう。
最後の「救援者費用」は、事故によるケガで一定日数以上入院した場合や、死亡・高度障害となってしまい、家族が現地に駆けつける事態となった場合に役に立つ保険です。条件に該当した場合は、救援者の往復の交通費や宿泊費が支払われますが、入院の場合は一般的に日数の条件が付いており、14日以上となっている保険が多いので確認しておきましょう。また、スキーやスノーボードでは山中で遭難してしまうことも想定されます。その場合、捜索・救助・移送費用も補償の対象となる保険も多くあります。
スキー・スノボ保険と愛称がついた保険はインターネットで加入するのが一般的です。傷害保険であれば保険期間1年といった条件で加入することが多いのですが、スキー・スノボ保険は旅行日数に合わせて保険期間1日から加入できるのも特徴の一つです。年に何度も楽しむなら保険期間1年で加入した方が割安になるかもしれませんが、初心者の方や久しぶりの人であれば短い保険期間で加入できる保険の方が割安でしょう。
スキーやスノーボードは楽しいばかりではないかもしれません。インターネットであれば手軽に加入することができます。事前準備の一つとして出かける前に保険加入もしておき、安心して楽しみましょう。